製薬企業での経験を活かして医療をもっと身近に。新規事業開発にかける想い
今回は製薬企業で働いていたバックボーンを活かして、新規事業開発室で「製薬企業との事業開発」「蓄積されたデータを活用した事業開発」を主担当に活躍してくれている西沢さんによる入社エントリーです。
なぜ大手企業からスタートアップへ転職したのか、なぜ数ある会社からファストドクターへ転職したのか、今後実現したい世界観とはどんなものなのかインタビューしてみました。
ぜひご覧ください。
「誰とやるか」に重きを置き転職
ーー西沢さんがファストドクターに転職しようと思ったきっかけ、どういう点を意識して転職活動をしていたのか教えてください。
最初に入った製薬会社では研究職として14年ほど、がんの薬の開発をしていました。その後、転職したヘルスケア系の会社では、血液検査でがんが発見できる新規サービスの立ち上げや、製薬会社に向けたデータコンサルティングの営業をしていました。積極的に転職を考えていたわけではないのですが、医療の分野でユーザーさんに直接価値を届けられるサービスを作りたいという思いが強くなっていたタイミングでした。ちょうどその時に、ファストドクターのお話を聞く機会があり、面白そうな会社だなと思いました。医療DXのスタートアップと聞いていたので、SaaSに注力している会社かなと思っていたのですが、話を聞いてみると医療人材の確保、ドライバーさんの確保、コールセンターの構築、薬の確保、医療費請求と、本当に医療以外の部分もすべて請け負っており、オペレーションがとてもハードでした。良い意味でスタートアップっぽくなくユニークで、ファストドクターだからこそつくれるビジネスがあるんじゃないかと感じました。
転職において「何をやるか」はもちろん大事なのですが、今回の転職においてはそれよりも「誰とやるか」を重視しました。というのも、新しく事業をつくる時は、不確実性が高く、うまくいかないことの連続です。そこから学び、次の打ち手につなげていく必要がありますが、実際やってみると、恐ろしく精神を削られ、孤独だったりします。なので、本当に腹を割って話せる仲間と一緒でないと成功には辿り着けません。逆にいうと、そういう仲間と高い壁を乗り越えるからこそ、とてつもない達成感が味わえるわけで。そのため、次に転職する際には「誰とやるか」に徹底的にこだわろうと思っていました。
そうしたなかで、ファストドクターの経営陣との面接を通じ、「彼らと一緒に働きたい!」と心から思えたことが入社の決め手です。
ーーそうだったのですね。「彼らと一緒に働きたい!」と感銘を受けた面接では、どのようなやり取りがあったのでしょうか。
経営陣のみなさんはとても個性的で、それぞれの面接スタイルは異なっていました。しかし、共通しているなと感じたのは、レジュメからは見えてこない「西沢隆」という人間そのものを見ようとする姿勢が伝わってきたことです。
たとえば、私が過去の経験を踏まえ、自分が会社で貢献できる部分を伝えた際には「西沢さんができることはわかったが、それよりも西沢さんがやりたいことを語ってほしい」とおっしゃっていました。また、私が起業に失敗したときのエピソードを話したときには、「やめるという決断をした後、実際にパートナーやこれまでの協力者たちとどういうコミュニケーションを取ったのか。具体的に何を語ったのか」という深掘りがありました。経営陣のみなさんご自身の仕事のスタイルを熱く語っていただいた後で、「西沢さんはどういう価値観で仕事をしているのか」と問いかけられたこともありました。
事前の準備では想定できない、自分自身が裸になるような問いかけが多かったです。とにかく脳みそに汗をかく時間で、面接の1時間があっという間だったのを覚えています。同時に、面接を終えてすごく清々しい気持ちになり、面接してくださった方々に向けて「もうちょっと語りたいので、このあと、一緒にサウナでも行きませんか?」と言いたくなる気持ちになったのを覚えています。
現場の声に耳を傾けながら新しい可能性を切り開く
ーー現在は新規事業開発室に所属されていますが、どのような役割を担っているのでしょうか。
ファストドクターはtoC向けの救急往診を軸に、それをtoB(医療機関)、toG(行政・自治体)へと展開することで拡大してきました。新規事業開発室としては、これまでの過程で構築されてきた強みは活かしつつ、一方で、それにとらわれすぎず、新たな事業領域をゼロから探索する役割を担っております。新規事業開発室のメンバーは総勢7人。それぞれに担当分野があり、担当役員とディスカッションしながら進めています。私は製薬企業で長年勤務していたのと、製薬企業に向けたデータコンサルティングの営業をやっていましたので、開発の軸として「製薬企業との事業開発」「蓄積されたデータを活用した事業開発」の2つを主に担当しています。ただ、これ以外でもやりたい・やるべきと思ったことは、発信すればいつでも聞いてもらえる風土がありますね。
ーー転職時にさまざまな魅力を感じられてファストドクターに入社されたと思いますが、入社してよかったなと思うことはどんなことがありますか。
入社してよかったことは3つあります。
1つは多様なバックグラウンドを持つ方々が集まっていること。会社の中に「医師」「看護師」「薬剤師」「医療事務」など専門性が高い方々がたくさんいるので、新規事業の検討をしていても、すぐに社内の専門家と壁打ちができ、解像度を上げられます。「アイデアとしては良いけど、実際の往診現場では…」「看護師の立場から言わせてもらうと…」という生の声が聞けるのは、ファストドクターならではではないかと感じます。
2つ目は、実際の現場を体験できること。ファストドクターにはGO,GEMBAといって、現場から問題解決の糸口を見つけるためのカルチャーがあります。その一環として、救急往診の現場に立ち会わせていただいたり、医療資材を管理するロジスティクスを見せていただいたり、医師を往診現場にアテンドするドライバー業務を経験させていただいたり。「往診が終わってから次の往診までの移動時間って、想像していたよりも忙しいんだな」とか「患者さんがほっとする瞬間ってこういう一言なんだな」とか、現場に行くとその場のやりとりを肌で感じれられて、頭の中で考えていたよりもはるかに情報量が多くありがたい環境だなと思います。
3つ目は、経営陣がメンバーを信じて任せてくれること。先ほどお話したように私の場合、「製薬企業との事業開発」「蓄積されたデータを活用した事業開発」が担当分野なのですが、この広い範囲で自由に仕事を進めさせてもらっています。自由にというと、丸投げのようにも聞こえるかもしれません。ですが、私の提案に対し「なるほど」「おもしろいね」と受け止めてくださった上で、新たな可能性を提案してくれますし、社内外にもっと知見がありそうなメンバーがいれば、その方をつないでくれます。さまざまなプロセスを経て、「最終的には西沢さんが判断してやってみたら良いよ」と任せてくれる度量の大きさにありがたみを感じます。一緒に事業を作っている感覚があり、この人たちと仕事をすることを選んでよかったなと思います。
ーー西沢さんは、ファストドクターにはどんな人がフィットすると思いますか。
多様な方とコミュニケーションができ、かつ自分の軸を持っている人でしょうか。ファストドクターはバリューチェーンが長く、サービスをユーザーさんに届けるまでに、多くの社内メンバーとの連携を必要とします。また、社外の関係者でいえば、医療機関、自治体、製薬会社などの方々と一緒にビジネスを作っていくことも多いです。そのため、バックグラウンドが異なる方に対し、愛とリスペクトを持ってコミュニケーションできる必要があります。一方で、多くの方の意見を聞きすぎてしまうと、アイデアの尖がりがなくなり、事業の推進力が損なわれます。ファストドクターで新しい事業を生み出すためには、周囲の意見を取捨選択できる自分の軸を持ちあわせることが大切です。そういう方がファストドクターにフィットしていると思います。
医療をもっと身近に、病気になっても不安にならない世の中に
ーー西沢さんが今後挑戦したいこと、実現したいことはなんでしょうか。
ひとことで言えば、医療をもっと身近にするサービスを作りたいです。たとえば、医療用語は独特で、時に医師が言っていることでも外国語のように感じることがあります。検査の数字を見てもよくわからないですし…。治療を受けているのは自分なのに、どこか医師任せで、他人任せな感覚があります。医師にもっと質問していったらいいんでしょうが、忙しそうにしているので、つい遠慮してしまいます。でも、それはなんだか不自然だと感じていて。一方で医師にヒアリングすると、医師側も患者さんの情報を求めていて、もっと良い医療を患者さんに届けたいと思っている先生が多いです。そうであれば、医師と患者の間をつなぎ、医療が身近になるサービスを作ることはできないだろうか…と。病気になっても不安にならない世の中をつくっていきたいですし、ファストドクターでならそういう世の中をつくっていける気がしています。
ーーファストドクターに興味を持つ方に向けて、メッセージをお願いいたします。
日本の国民保険制度は素晴らしい制度です。ですが、高齢者人口に比例して医療費は増加の一途を辿り、今や40兆円強となっています。ここで大きく保健制度の仕組みをアップデートしなければ、崩壊してしまう可能性があります。言い換えれば、ここでアップデートし、質の高い医療をもっと生産性高く提供できれば、この素晴らしい仕組みが維持できるということです。それだけでなく、国境を越え、アジアやアフリカなど、世界の医療の発展にも貢献できうる可能性があります。ファストドクターは今、そこにチャレンジしています。規制も多い分野ですが、制限が創造性を刺激します。少しでも興味を持っていただいた方は、ぜひ、声をかけてください。一緒に取り組む仲間がファストドクターにはいます。
新たな医療の扉を開きましょう!