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全国規模で必要とされる、日本一のコンタクトセンターを目指す──ファストドクターメディカルコンタクトセンターTOPインタビュー

ファストドクターの利用を希望するすべての患者さんの窓口となる、メディカルコンタクトセンター。そのトップを務め、事業拡大に伴う組織の拡大・強化を牽引するのが、公文卓馬さんです。

公文さんがファストドクターに入社した経緯や、メディカルコンタクトセンターの目指す姿などについて伺いました。

「医療の持続可能性を高め、適正な医療のかかり方を実現する」。ファストドクターが目指す世界に共感して入社

──まずは、公文さんのこれまでのキャリアについて教えてください。

新卒でリクルートのグループ会社に入社。各種情報誌をWebに移行する際に発生するエンジニアリングプロセスの設計や業務改善を4年ほど、経営企画部門で予算管理を5年ほど経験しました。

その後、売上を上げることに寄与する仕事をしたいという思いから、楽天株式会社に転職。4年にわたり、楽天市場事業のマネージャーとして、収益管理や事業企画などを担当しました。

次に、株式会社エス・エム・エスに転職。ちょうど拡大中の事業を分社化するフェーズにありました。分社化した会社で管理部門の立ち上げを2年間担当したのち、看護師の新卒採用メディア事業の部長として、3年ほどプロダクトマネージャーの役割を果たしました。

その後、マネジメントスキルをさらに鍛えたいという思いから、結婚相談事業やウエディング事業を展開するタメニー株式会社に転職。結婚相談事業のマネジメントを1年強担当したのち、2021年10月にファストドクターに移りました。

──ファストドクターへの転職を決めた経緯や理由を教えてください。

きっかけは、代表の水野さんから、ファストドクターに合う人を紹介してほしいという連絡を受けたことです。水野さんとは楽天時代に一緒に働いていた時期があり、自分が転職活動をする際に相談したこともあったので、「誰かいい人はいないか?」と。

そして、人を紹介するにあたり会社としての今後の方向性や募集職種・条件などを確認していく中で「自分はどうですか」と話をさせていただき、選考を受けることにしました。

──ファストドクターのどのような点を魅力に感じたのでしょうか?

まず前提として、私自身が二人の重度障害児を持つ親として、医療に多く触れる中で感じた「医療業界に対する感謝と課題感」がありました。

その中で、ファストドクターが目指す「生活者の不安と医療者の負担をなくす」というところに共感できたことです。例えば、自分の子供が医療的なケアを必要としていた時は、深夜に状態が悪くなった時の不安感はとても大きい事だと実感しています。ファストドクターは24時間稼働するコンタクトセンターやオンライン診療など、この時の自分にお勧めしたい機能が多くあると感じています。
また、子供が長期で入院して病院でお世話になった際、朝の問診から深夜まで、同じ先生が出てくることや、医療的な処置だけでなく、リスクの説明から付随する書類への記入など、非常に忙しくされている点についても、これが続くのかな、と思うところがありました。ですので、ファストドクターが提供している、スマホで決済まで完結するシステムや、深夜帯や休日のバックアップ事業などが、これらの問題を変えていける可能性を感じました。事業や会社が拡大していく過程である事に加えて、社会に求められる変化に関われる点が魅力でした。

──ファストドクターについてはもともとご存知でしたか?

水野さんから連絡をもらう前から存在は知っていました。ただ、正直なところ、当初はビジネスモデルに興味があったものの、とてもオペレーションが重い事をしているという印象で、業界的にも徐々に浸透していくものだろうと思っていました。

ところが、COVID-19の流行を受けたファストドクターの動きを見て印象が変わりました。救急オンライン診療を導入。医療機関からの発熱患者を受託、自治体のコロナ関連業務の受託。これらの対応が、驚くべきスピードで進められていました。

とくに救急オンライン診療に関しては、国の通達を受けて即座に提供体制を整えているのを目のあたりにしました。これまで変わらないと言われていたことに対して変わるきっかけをつくったり、実際に変えていくことは、やりがいがあると確信できました。

会社所在地 (23)


メディカルコンタクトセンターの未来像を描き、実現に向けた戦略をたてること

──今の公文さんの担当業務について教えてください。

1つめは、コンタクトセンターの未来像を描き、実現に向けた戦略を立てること。ファストドクターのコンタクトセンターは、往診の受付窓口であり、往診に向かう医師や機材の調整を担います。事業の要となる組織です。

加えて今は、医療機関から依頼を受け、夜間・休日等の診療支援などを行っています。また、自治体からの依頼を受け、新型コロナの自宅療養者に対する医療支援にも取り組み始めています。さらに現在は医療従事者が不足することに関しての多種多様なSOSが増え続けています。コンタクトセンターの体制を整え、そのSOSに全国規模で対応できる組織を作っていかなければなりません。
そのために必要なのが、コンタクトセンターのオペレーションDX化です。

速やかにかつ高品質な医療を提供できるよう、患者さんからのお問い合わせ内容は往診訪問を行うドクターに事前共有しています。現在では共有する前に手作業で音声データをテキスト化する作業を行っていますが、AIツールなどを活用することで自動化したり、適切なアラートやリスク判断のサポートができると考えています。

あくまで一例に過ぎませんが、こういった目指す姿を実現するために戦略を立て、実行していきたいと思っています。

2つめは、品質とキャパシティの両方に対応できる仕組みを作り上げることです。

自治体や医療機関との連携を深めている今、これまでのtoC(患者さん)メインの事業体とは異なるオペレーションフローが新たに誕生し、新規施策を速やかに進めることが求められています。

フルリモート体制で勤務するオペレータースタッフの教育・育成を行いつつ、オペレーションを標準化しミスなく対応することで、コンタクトセンターとしての品質を高めます。同時に、繁閑の波に人の稼働を的確にマッチさせていくためにキャパシティの柔軟性を高めていきます。そうすることが、さらに多くの患者さんが安心してご利用いただけるサービスへとつながっていきます。

3つめは、成果を最大化するための仕組み作りです。

オペレータースタッフのうち、約7割は元医療従事者です。大変な臨床の現場を支えてきた多くの医療従事者が、弊社のミッション「生活者の不安と医療者の負担をなくす」に共感し、仲間になり一緒に日本の医療を変えようとしてくれています。一方で新型コロナウィルス蔓延の状況もあり、弊社サービスをご利用いただく機会が増加している今、オペレータースタッフに大きな負荷がかかっていることも事実です。今後、在宅/出社混在でさらに数百名規模のオペレータースタッフの増員が必要です。組織・人員の早期立ち上げや生産性向上が急務です。そのためにはe-learningシステム導入や自律的な改善を促す仕組みなど、効率的に成果を最大化する仕組み作りが必要です。

──入社されて、入社前と比較してギャップを感じた点はありますか?

良いギャップとして、自律的に考え、行動する方が思った以上に多いと感じました。200人に満たない規模で医療に特化している組織となると、経営者の意向に皆が従って動いているのかなと想像していましたが、誤解でした。意見の違いを受け止めるコミュニケーションがなされていますし、一人ひとりが広い視野で考え、仕事をしている会社だと感じています。

──今後、メディカルコンタクトセンターをどんな組織にしていきたいですか?

長期的には、先ほど述べたように全国の自治体や医療機関から求めに応えられる組織にしていきたいですね。

短期的には、社内に対して気持ちよく「任せて!」と言える組織になりたいと思っています。現状は、どんどん立ち上がる新しい施策に対応する余力が十分にあるとは言えない状態。これからコンタクトセンターに加わってくれるマネージャー候補や部長候補の方たちと一緒に、現場の業務実態を把握した上で、今後対応すべき新しい施策に必要な時間を見極め、やるべきことの取捨選択や余力のコントロールに取り組みながら組織を進化させていていきたいですね。

会社のフェーズとしても、医療をめぐる可能性の広がり方を考えても、当面は、小さな生産性をとるよりは、社会のニーズに対応しながらなんでもやれる組織であることが優先されると思っています。そのために、新しい施策に対応できる余力のある組織をつくっていければと思います。

キーワードは「アジリティ(俊敏性)」です。方向転換できる、俊敏性のある組織にしたい。そのために、教育・育成の仕組みもしっかりと整えていきたいと思っています。