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【看護師SVインタビュー】臨床現場以外から患者さんをサポートする実感とやりがい

ファストドクターにおける地域医療推進部は、地方自治体の夜間・休日の医療提供体制を拡充し、「生活者の不安と、医療者の負担をなくす」「不要な救急車利用を3割減らす」というミッションやビジョンにダイレクトにアプローチする部署です。そのなかで、SV(スーパーバイザー)として入社して4ヶ月経った、看護師の大野さんと平野さんのお2人に、入社の経緯や現在の仕事状況についてお話を伺いました。

写真左)大野 愛プロフィール
看護専門学校卒業後、東京都指定二次救急病院に就職。総合内科、呼吸器内科、整形外科に所属。急性期から慢性期の看護を経験。2022年2月より新型コロナウイルス感染症の自宅療養者フォローアップセンター、発熱相談センターで管理者として従事。自治体と連携しシステムや業務フロー立案構築・マニュアル作成・スタッフ指導等、3センターの事業立ち上げを行う。2023年4月ファストドクターに入社。
写真右)平野 結惟プロフィール
看護専門学校を卒業後、神奈川県指定二次救急病院に就職。小児科兼NICUに配属され急性期の患児を中心に術後管理、呼吸器管理、小児看護を経験。そのなかで病棟勤務中にBLS、ICLSを取得。また、新生児・小児領域のクリニカルパスを作成し、院内の他職種業務の効率化を図る。同時期に病棟で働きながらコールセンターにおける救急電話相談業務のオペレーターを経験。病院を退職後、東京都における新型コロナウイルス感染症の陽性者療養施設のマニュアル作成・業務フローの立案・リーダー育成など事業の立ち上げ業務に従事。2023年5月ファストドクターに入社。

▼地域医療推進部の仕事内容の記事

コロナ禍で見つめ直した自分のキャリア

ーー地域医療推進部でSVをされている大野さんと平野さん、お2人がなぜファストドクターに入社しようと思ったのか。そのきっかけからお聞きしたいです。
大野:

私は元々病棟で看護師として働いていたのですが、派遣会社に登録している友人が「珍しい仕事があるよ」と紹介してくれたのが自治体の新型コロナ療養者に対応するフォローアップセンターでした。フォローアップセンターでは療養者の方に毎日健康観察の架電や、相談の入電があります。対応したオペレーターさんの記録を確認し、「この方はなかなか症状が軽快せず、療養期間がかなり延長になっているから病院で精査が必要」「一度医師に診てもらった方が良い」と判断して保健所と連携し、病院受診・往診の手配をすることもありました。「一時はこんなに状態悪かったけど、こんなに回復したんだ」とその過程を見て自分の対応は間違っていなかったと思うと嬉しくて…。コールセンターのSV業務をするなかで、病院以外で直接患者さんと会うことがなくても、看護師として患者さんを安心させられる働き方があるんだと初めて知りました。病棟とはまた違ったやりがいや楽しさを経験し、もっと幅を広げていきたいと思い病院を退職し、コールセンターメインで働いていました。

そんなときに、フォローアップセンターから往診依頼をしていたのがファストドクターだったんです。そこで初めて会社の存在を知り、ファストドクターってどんな会社なんだろうと興味が湧いて調べていたら、当時の勤務先のセンターで他のSVから「ファストドクターでSVの求人あるよ!」と教えてもらいました。ファストドクターのミッションやビジョンなどを説明している動画、入社エントリーなどの記事を読んで、毎日ワクワクしていました。同じく看護師で臨床経験のある上柳さん、菊地瑠璃子さんの記事を見たときにビビッと来て絶対に入社したい。ここを逃したら私は次の仕事をどうしようかと、本当に悩むほどでした。どうしても入社したいという思いから、履歴書の志望動機の一文を考えるのに1日何時間費やしたのかというくらい考えて応募しました。

ーー病棟看護師とコールセンターと掛け持ちで働かれていてから、SVの仕事が面白くなっていったんですね。

大野:
そうですね。本格的に転職活動をするなかで考えたことは、病棟は基本の業務内容がほぼルーティン作業のような形で、日々の変化をあまり感じられないこともありました。自分が何か変えたいと思っていても、現場単位で細かな部分は変えられたとしても、その大きな仕組み自体を変えることができなくて、そうしたところで疑念が生じることもありました。そんなときに、ファストドクターの「医療の質・体験・効率性を変革し 持続可能な地域医療を実現する」というコーポレートサイトの文言を見つけ、すごく惹かれたんです。実際に入社してからも、自分が想像していたよりも裁量を持ってSVの仕事をさせてもらえて、すごくいい経験になっています。

平野:
私も大野さんと同じでした。ファストドクターに入れなかったら、やりたいことがないかもしれないと思っていました。絶対に受かりたいと、神社に毎日行っていたくらいなので(笑)。

ーーそれはすごいですね。ちなみに平野さんの転職のきっかけはなんだったのでしょうか。

平野:
新卒のときから「3年働いたら別の病院で働いてみたい」と転職するタイミングを決めていたんです。ところが、ちょうど看護師3年目のときに新型コロナウイルス感染症が流行し、転職するにもできない状況になってしまいました。そのため、そのまま同じ病院で数年勤務し、コロナが落ち着いてきたタイミングで病院を退職しました。まだコロナ禍ではあったので、派遣看護師としてコロナ陽性者の療養施設で働き始めました。勤務を始めて半年くらい経った頃に、新しい施設を立ち上げることになったため、手伝ってほしいと派遣先の社員さんから声をかけていただき、新しい施設の方に異動しました。そこでは、コロナ陽性者の療養施設の立ち上げ業務に携わり、マニュアル作成や業務フローの立案、リーダー育成などを行っていました。

この経験を通して、立ち上げ業務や自分で何かを始めることにすごくやりがいを感じました。そして、今後の自分のキャリア、自分がどう生きていきたいか考えるようになりました。病院以外の働き方に興味を持ったので、看護師に絞らずにさまざまな転職サイトの情報を見ていたときにファストドクターを見つけたんです。ホームページを見て、私も大野さんと同じように会社のミッションに共感して、看護師の資格を活かしながらこんな働き方ができるんだとワクワクして、ここで働きたいなと思い入社を決めました。

180度変わった看護師としての働き方

ーーお2人は現在、どのような仕事をしているのですか。

平野:
私たちの部署は「地方自治体の夜間・休日の医療提供体制を拡充すること」を目的として活動しているので、クライアントは地方自治体になります。そのため、契約している地方自治体の患者さんからの窓口業務を担っているので、地域医療推進部のSVとして、コールセンターのオペレーターの採用から育成までオペレーターに関するあらゆる仕事をしています。それ以外のメイン業務としては、契約先の都道府県や地方自治体にお住まいの患者さんへの対応マニュアル作成やオペレーションフローの構築を行います。

ーーそのなかで看護師の資格やスキルを活かせるところはありますか。

大野:
ありますね。たとえば、契約先の自治体に相談者の方からご意見が届いた際に、このときどのような対応だったかと確認の連絡が来ることがあります。そのときにこういう症状があったので、看護師はどのような評価をして対応したのかと医療者としての見解を述べることができます。自らが医療的な判断ができるので、医療職の誰かを介して説明することなく直接やりとりできることは、スキルを活かせているなと感じる部分です。また、案件によってはプロトコルを使用するので、そちらを医師と相談しながら改修したり、オペレーターの研修やケーススタディを行ったりなど、スキルを活かせるところはたくさんあります。そして、あらためて自分自身の勉強にもなります。

ーー入社して現在は4ヶ月経ちましたが、仕事には慣れてきましたか。

平野:
まだ慣れないこともありますね。これまで病院でしか働いてこなかったので、働き方が180度変わった感覚です。白衣を着て必死に走り回って救命処置していたところから、今はコーヒーを飲みながら、パソコンに向かって仕事をしています。もちろん休憩はちゃんと取りますが、現実はあまりに仕事に夢中になりすぎて、ご飯を食べるのを忘れてしまい、気づいたら夜ということもあるんですけどね(笑)。ワクワクした気持ちややりがいはありますけど、常に新しい仕事やタスクがあるので、やっと慣れてきたかもしれない!というタイミングで次の業務に移らなければなりません。こうした経験は初めてで、早く慣れたいとは思いながらも、まだまだ手一杯な状況です。そうしたこともあって、部長である服部さんや他のメンバーからもすごく気にかけてもらっている実感があります。

大野:
入社直後はオンボーディング(新入社員を組織全体でサポートするプログラム)だけでは理解しきれなかった部署ごとの役割、何か依頼する先の担当部署・担当者などの違いが今は理解できるようになりました。私と平野さんは入社直後に、それぞれ担当の自治体を持たせてもらったんですが、他部署の方と連携しながら構築するのでその影響が大きかったと思います。案件の担当以外では自分の部署の各オペレーターさんの特性が理解でき指導のポイントが絞れるようになったり、業務を効率的に行うため、より多くの相談者さんを対応する際の見直すべき点が見えてきたり…と、少しずつ視点が変化している実感はあります。それでも、まだまだこうしていきたいという理想はあります。日々新しいタスクが入ってくることで、新たなインプットが必要になり大変なこともありますが、次はどんな仕事だろうとワクワクする気持ちで仕事に取り組めています。

ーー他の業務についてはどうですか、パソコン業務などは看護師の仕事でもやっていたこともありますか。

平野:
いえ、病棟にいた頃は電子カルテの文字が打てる、年1回ある看護研究のスライドを作ることができるくらいのレベルだったので。こんなに使えるようになるんだって自分でも驚いています。

大野:
私もそうです。電子カルテは専用のソフトが入っているので、そのページを行き来するだけでした。資料作りとしてスプレッドシートやスライドを使うことはありましたけど、現在行っているクエリ(処理要求)を通じて、データの検索や更新、削除、抽出などは、これまでまったくやってこなかったことばかりですね。今話題のChatGPTはファストドクターのテック組織であるFDTが社内の機密情報であっても取り扱えるように環境を整備してくれています。SlackでChatGPTの仕組みを使って作られているBotに質問すると、全社員に公開されている資料の内容であれば、なんでも答えてくれるようになっているんです。ヘルステック企業ゆえの情報感度や先端技術に自分も触れることになるなんて、病棟看護師だったら一生こんな機会はなかったと思います(笑)。すごい経験です。

平野:
あとは、出張があることでしょうか。私と大野さんは月に1、2回出張に行っています。新規案件がスタートすると、その地域に出向いてご挨拶をして、内容のすり合わせや営業も行います。これは看護師の仕事では経験してこなかったことですね。先日は県庁の記者会見に出ることもありました。

自分の意見から実現していく、多職種が交じり合う刺激的な会社

ーーお2人はファストドクターの魅力はどんなところだと感じますか。
大野:

日々ものすごいスピードでいろんなことが動きます。仕事がトップダウンで来るだけではなく、私たちのレイヤーでも意見や提案をして受け入れてもらえることもあります。自分の意見を形にするためにどんどんサポートしてもらえる、背中を押してくれる環境がいいなと思いますね。

平野:
そうですね、チャレンジしやすい環境があると思います。たとえば、電話相談を受ける前のガイダンスの時間が長いなと思ったことがあったんです。相談者の方も長いと感じて、私たちオペレーターに電話が繋がる前に切電される方が多いことがデータからわかりました。そこで、ガイダンスの内容と速度などを修正し、もっと早く繋がるようにしたいと上司に相談したら「やってみようか」と言ってもらえて。病院時代だったら「これは絶対だから変えられません」と言われることが多かったので。ただ、病院という組織上仕方のないことだと理解はしていますが、この経験を通して自分で何かを変えていくことができる、チャレンジできる環境があることをあらためて実感しました。

大野:
それぞれに専門職の人がいて、多職種の人たちと関わることができて、とても勉強になることが多いです。自分の専門分野じゃないこともいろいろ知れて、さらにものすごいスピード感で目標やタスクを実現していくのをまじかに見て、勢いのある会社ってこうなんだ!と、本当に毎日吸収することばかりです。

平野:
ファストドクターは医療者もいますが、エンジニアさんもマーケティングチームもいて。こうして多職種が交じり合うのはすごく刺激的な会社だと思います。

大野:
そうですね。ちょっとしたことでもエンジニアさんに教えてもらえる環境があることはすごく助かっています。ChatGPTやGAS(Google Apps Script)の勉強会も開催してくださったおかげで、以前よりも使えるようになりました。今後の目標は自分でデータ化して、自治体にデータ共有や結果報告までできるようにして、PCが得意な看護師を目指したいです。

ーーそれでは最後に、入社を検討されている方に向けてメッセージをお願いします。

平野:
正直、私は病棟や施設など現場での経験しかなくて、最初は不安も大きかったです。しかし、パソコンのことやGASの使い方などもいろいろと教えてくれるエンジニアさんがいて、業務のことでもわからないことがあったらすぐに聞いたら誰かが教えてくれる環境があることは、自分にとってすごく大きなことでした。わからないことがあっても、そこから学べる、成長できる。パソコンが使えないからといって応募しないのはもったいないと思います。入社してからいくらでも勉強できる環境がありますから。

大野:
ファストドクターはものすごいスピード感で物事が進んでいきます。入社したての頃は圧倒されて不安になったこともありましたが、先輩も上長も他部署の人も皆さんが親身になって何か困ったらすぐ相談してと言ってくれます。正直看護師は、すぐに相談してはいけない、一旦自分で考え抜いてから他者に聞くという環境が多いと思います。それでもここでは新人のうちに聞かなければいつ聞くの?と、他者に聞くことは全然恥ずかしいことではないんだと知り、心強さがあります。お互いにできること、得意なことをやって、わからなければ聞いて。お互いに学びながら成長していくというカルチャーが、本当に素晴らしいです。医療に関わりつつ、多職種の人からも学べる環境は、きっと病院勤務だけでは経験できない新しい看護師の働き方が見つかると思います。ぜひ一歩を踏み出してください。仲間ができることを心待ちにしています。

平野:
病院で働いていたときは、事前学習や下調べがありきの環境で育ってきたので、わからないことを聞くのに余計抵抗がありますよね(笑)。私もわからないことがあったら聞いていいんだと思いました。「わからないことを考えて、調べながらやるよりも、3分で聞いて済むことはすぐに聞いて、残りの時間は復習したり別のタスクを処理することに時間を使って」と言われたときは、聞ける、教えてもらえる環境があるってすごいなと思いました。なので、私なんて…と控えめにならずにチャレンジするマインドを持って。一緒に切磋琢磨していってほしいと思います。

文:白石 弓夏
撮影場所:WeWork 東京ポートシティ竹芝

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