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【UI/UXデザイナー】デザインは誰のため?現場主義のアイデアで事業にインパクトを

ファストドクターには現在UI/UXデザイナーが2名在籍しており、プロダクトに関わるデザインの全てをお二人で担っています。今後、採用を強化してより良い患者体験を追求していくにあたり、庄司さんと黒田さんにお話を伺ってみました。

写真右)庄司 瞳プロフィール
多摩美術大学情報デザイン学科卒。制作会社、フリーランス、事業会社などで、それぞれ学習系webコンテンツ、大人の女性向けファッションメディア、社員のエンゲージメントやメンタルヘルスデータを可視化するアプリケーションなど、様々なジャンルのサービスの新規事業立ち上げに携わり、デザイン及びアートディレクションを担う。
2022年7月にファストドクターに入社。主に医療従事者のUI/UXをメインで担当。

写真左)黒田 千明プロフィール
東京造形大学を卒業後、WEB制作会社を経て、インターネット広告代理店に転職。
広告クリエイティブ制作の部署にデザイナーとして5年ほど従事した後、自社サービスを扱う部署に異動。デザイナー兼プロジェクトマネージャーとしてアジャイル開発のもとUIUXの改善を実施。
社会貢献をもっと身近に感じられる環境を求めて、2023年1月にファストドクターに入社。主に患者サイドのUI/UXをメインで担当。


現場との関わりを大事にしたデザイン

ーーなぜ、ファストドクターに転職を決めたのですか?
庄司: 

実は、「いつか医療に関するデザインがしたい」という思いがもともとあったんです。私は、人間の身体に関することに興味があって、身体に1番アプローチできるのは”医療”なのではないかと漠然と感じていました。前職では社員のメンタルヘルスにアプローチするプロダクトやスリープテックなどにも携わり、もう少し広く人の身体に関わることを突き詰めてやってみたいという思いがあって、医療系テックのベンチャー企業を中心に転職活動をしたんです。
そこでファストドクターを選んだのは、CTOである宮田さんの記事をnoteで読んでモチベーションが高まったことと、普通は入社後じゃないとできないような仕事を選考中に体験させてもらう機会があり、単発的な機会でありながら「これはすごいサービスかも」と感じたので、入社を決めました。 

黒田: 
私は転職を考えた時、自分の中に“社会のためになりたい”という大きなテーマがあって、今までに自分が得た知識やスキルを活かせる環境を探して、業界を問わずいろいろ見ていました。その中で、ファストドクターの「不要不急の緊急搬送を減らしたい」というビジョンにすごく共感が持てました。
また、現場主義の考え方に惹かれたのもあります。企業を見るポイントとして、ユーザーから直接フィードバックを得られたり、サービスが使われる現場を直接確認できる事業会社が良いなと考えていました。価値提供には現状把握・インサイト分析を行い、本質的ニーズを掴むことが大切だと思うからです。
ファストドクターでは、現場との距離が近く、直接コミュニケーションをとったり、時には体験できたりする環境があり、私にとって大きな魅力でした。

ーーやっぱり、現場を見たほうがより良いデザインになるのでしょうか?
庄司: 

「誰のためのデザインか」というターゲットが明確でないと、ニーズとマッチするものは作れないですよね。私たちが担っているデザインは、自分の情熱を表現するためのアートではなく“誰かのためのもの”なので、良いデザインを作るためには使う人を知るのが大前提だと思っています。現場に出なくてもそれがわかれば良いですが、実際は現場に出ないとわからないこともあるので、だったら「自分の目で見よう!体感しよう!」という感じです。
また、いろんなメンバーの記事にもあるように、ファストドクターはサプライチェーンが長く、関わる部署や職種も多岐に渡るので、実際に現場に出てどんな人が使うのか、どんな状況で、どう感じるのかをきちんと把握するためにも必要な過程だと認識しています。

デザインを通して、事業にインパクトを与える

ーーデザイナーから見て、ファストドクターで働くやりがいはなんですか?
庄司:

ファストドクターは、社会に対してダイレクトに影響を与えて、人々の生活を良い意味でガラリと変えることができるのではないか、という壮大な期待感があります。毎月何人も新入社員が入ってくるので、そういうシンプルなところでも会社の成長をひしひしと実感します。また、社員1人1人に発言権があるのと、他部署の方々からもデザイナーへのリスペクトを感じるので、とても仕事しやすい環境なんです。

黒田: 
わかります! 他部署の社員からデザインへの理解やリスペクトがあるって、本当に恵まれていますよね。例えば、ファストドクターの社内会議では「UXは〜」「患者体験は~」などのやり取りが交わされています。これは一見当たり前に聞こえるのですが、世の中にはまずこのマインドを会社にインストールする事に苦労するケースも多くあります。そのため、既に会社全体としてUI/UXの改善に前向きなのは本当にありがたいです。

あとは、やっぱり現場を直接見れるところが私にとっては1番ですね。入社してから往診同行や医師の荷物のパッキングをする現場を見学させてもらいましたし、オフィスではオペレーターが管理画面を触りながら、患者さんの電話応対している姿をみられるので、リアルな現場が目の前にあるところが本当に面白いです。現場で実際に行われてることを把握して改善策を導き出せるのは、 デザイナーにとってのやりがいだと思います。

ーー黒田さんは先日のミートアップで「経営陣がUI/UXを理解してくれることにとても驚いた」とおっしゃっていましたが、庄司さんも同じように感じていますか?

庄司:
そうですね。ファストドクターは生活者にとどまらず、医療機関や介護施設、自治体・行政、製薬会社、保険会社など、医療に関わるすべてのプレイヤーに価値を提供しています。それでも、作っているサービスは主に“患者さんのためのもの”なので、医療に携わる一企業として、目指すビジョンに大きなブレは生じにくいのではないかと考えています。代表の菊池によると、これからは患者さんにとって最も価値のある医療行為かどうかを問う「バリュー・ベースド・メディスン」という考え方が高まってくるとの見解なので、従来の科学的エビデンスに基づいた医療「エビデンス・ベースド・メディスン」に対し、変わりゆく価値観を捉えながらデザインにも落とし込んでいきたいと考えています。

黒田: 
アイデアに正解はないので、「こういう形がいい」と思う人もいれば、「ああいう形のほうがいい」という人もいます。たとえ意見の違いがあっても、お互いの考えをすり合わせることで、本来目指したかった目的地に当初の想定とは違う形でたどり着くこともあると思います。
ファストドクターでは、皆が一丸となって突き進みながら、社内外問わず多彩な人たちと関われるので、医師だけでなく現場の色々な立場の方やドライバーさんなど、それぞれに多角的な意見があって興味深いです。いろんな意見がある分、取りまとめる大変さや落とし所を模索する調整力は問われますが、それらを越えてこそ良いものができるので、こういった積み重ねで会社も成長していけるのではないかと思います。

ーーUX/UIデザイナーとして、社内で最も関わりが深いのはどのチームですか?
庄司: 
やはり、私たちが作ったデザインをシステムとして実装するエンジニアはもちろん、プロダクトマネージャー(PdM)やDXチームといったFDTのメンバーが一番でしょうか。
また、開発サイドのみならず、実際のシステムを使用する医療統括部や法人事業部の方々と、情報をすり合わせてUI/UXを改善していく機会も数多くありますね。

黒田: 
トータルで考えると、エンジニアとそれ以外の方で半々くらいでしょうか。プロジェクトの前半部分はDXやPdMの方と、後半部分の実装工程になってきたらエンジニアの方と密にやり取りをするので、グラデーション的な関わり方かもしれないです。

ーーところで、UXの検討などFDTのデザイナーはマーケティングとも近い部分があると思いますが、なぜテック(FDT:ファストドクターテクノロジーズ)所属なんでしょうか?
庄司: 

たしかに、会社によってはマーケティング部にデザイナーがいる場合もあります。一般的に、マーケティング部のデザイナーはLP(ランディングページ)など、将来的なユーザー向けのサービスという意味合いが強いです。一方、FDTのデザイナーが担っているのは、実際の患者さん(ユーザー)が利用する部分がメインとなっています。生活者が体調不良時でも簡単に操作できるようなユーザー体験を追求し、医師側の負担を軽減させるような体験を構築するのは、FDTでは「プロダクトデザイン=テック」という考え方なんですよね。

ーーファストドクターのUI/UXデザイナーは、システムの使い心地をより滑らかにしていく専門職ということですね!

現場の声をUIに反映し、業務効率を改善

ーー今どんなことを意識して仕事していますか?
庄司: 

デザインに関しては、直感的な操作性など基本的なことを常に意識したいと思っているのと、ファストドクターに存在するさまざまなステークホルダーのどこにも不利がないように、そして誰もが理解できるように、という気持ちを大切にしながらやっています。

黒田: 
私は、実際の動きをどれだけ把握して、リアルな現場を想像できて、デザインに落とし込めるかを結構考えていると思います。例えば、患者さんが利用するデザインだったら、何歳の人がどういう状況で、何時何分に何が起こってどうアクションするのか。社内向けの管理画面では、オペレーターの方々がどの時間帯にどんな環境でどういう業務を行っていて、どういうことを考えながらアクションしているのか。このようにユーザーになりきって、使いやすいか考えた上でデザインに起こしたいと常日頃から思っています。そのためには、患者さんへのユーザーインタビューに参加したり、オペレーターの方々の研修に参加させてもらったりと、インプットも意識しています。

ーーデザイナー視点で、ファストドクターの今と今後の展望について聞かせてください。
庄司: 

現状はリリースまでのスピードを重視して仕上げたシステムが多いので、前後のつながりが良くないとか、ユーザーエクスペリエンスに改善の余地がある部分があります。今後は、それを根本的に見つめ直す作業をコツコツやっていかなきゃいけないと思っています。よって、現状は即戦力になる経験者を求めていますが、いずれは育成もできる組織にしていけたらいいですよね。

黒田: 
本当にそうですね。やりたいことがたくさんあるのが良くもあり悪くもありで、結局あれこれやりすぎて手が回らない状況も起きているのかと思います。そのため今は、サービスのベース部分から整えていくフェーズだと私も思います。プロダクトサービス自体もですし、組織としても過渡期なので、それに耐え得る基盤が必要ですよね。こうして話してみると、庄司さんと考えていることが結構似ていますね(笑)。

庄司:
今までは目の前のタスクに追われがちでしたが、これからは半年後にリリースするシステムをテストをしながら、並行して細かい作業を進めていくような体制にできたらいいですよね。新メンバーを迎えて、各自分担しながらある程度余裕のあるスケジュールが組めるプロジェクトを増やしていきたいという気持ちもあります。

ーー実際の成果物として紹介できるものはありますか?

黒田:
私が担当している診療時間短縮プロジェクトでは、往診に向かう医師の業務効率を上げるために必要なことや、時間を有効活用するためのシステムを検証しています。その改善手段の1つとして、医師が患者宅を訪問する際のハードルになっていた住所問題(集合住宅地でどの棟がわからない、同じ区画に家が複数あるのに表札がなくて患者宅が判断できない、など)を解消するために、「自宅の入口にピンを指す」というUIを改善したところ、その効果として自宅の入口指定率が5〜10%向上し、診察時間短縮に寄与したという事例があります。結果が数値として共有されると、デザイン改修による成果が実感できるので嬉しいです。

今はまだ即戦力が必要なフェーズ


ーー自身のキャリアアップに関して、今の考えを教えてください。
黒田: 

まだ漠然としていますが、今はとにかく現場理解や価値創造に集中するフェーズだと思っています。実際の現場を見ながら、これから1~2年は自分の手をしっかり動かす仕事をやりたいです。経験を重ねて、自分が役に立てることにはなんでも柔軟に取り組みたいと考えています。

庄司: 
私は、次にマネジメントの機会があるとしたら、プレイングマネージャー的な立場を目指したい気持ちもあります。これって要するに、「ずっと最前線にいたい」ということですね(笑)

黒田: 
すごくわかります…。ある程度のキャリアを積んでマネージャーになったものの、「やっぱり現場に戻りたい」というデザイナーは多いですよね。でも、後輩もいるからポジションから離れられず、結局転職する、みたいな話をよく聞きます。

庄司:
そうそう。メーカーで管理職になったらデザインが全然できなくて、結局人事との違いを見いだせずに、黒田さんが言うようにデザインの現場を求めて転職するみたいな話は、私の年代ではあるあるになっています(笑)。

黒田:
ファストドクターでマネジメントするとなると、デザインチームの目標を考えたり、どういう風に組織を成長させていくか考えたり、などでしょうか。デザイナーがより働きやすくなる環境を整える役割も面白そうだと思います。これからどんな人が加わっていくのか楽しみですね。

過渡期を共に楽しめる仲間と働きたい

ーーでは最後に、未来の新メンバーに対してメッセージをお願いします。
庄司:

社会を変える一員になる準備はできていますか? ファストドクターは社会への影響力を実感できる会社です。私と同じように医療業界に興味がある人や、「今の医療制度を変えたい」みたいなことを一度でも考えたことがある人は、絶対にやりがいを感じられると思いますし、プロダクトのUI/UX改善はもちろん、新規事業もどんどん立ち上がり、やるべきことは沢山あります。
スタートアップならではの意思決定の早さを武器に、テストを何度も繰り返して、正解に近付けていく土壌があるので、ぜひその空気感を一緒に楽しみましょう!

黒田: 
私は医療系に限定して転職活動していたわけではなかったので医療知識がゼロの状態だったのですが、周りの方々に助けていただきながら、自分でも勉強しながら業務を進められています。
自分がデザインするプロダクトによって、より多くの患者さんを助けられると思うと、もっとキャッチアップして次のアウトプットへ繋げていきたいですね!

また、ファストドクターは大きく成長している過渡期であり、どんどん進化しています。そんな組織の変化を体感できる楽しさもあります。
変化を楽しめる方、医療業界未経験者の方でもファストドクターの考えに共感いただける方はぜひ応募いただければと思います!

文:堀間 莉穂
撮影場所:WeWork 東京ポートシティ竹芝

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